この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス未収録作品。正確な予知夢をみる特殊能力をもつマイケル。そんな彼が次に見た夢は、核兵器の使用を断行する独裁者の登場と世界の終末であった。続けて古本屋でゴルゴダの丘について調べている自分を夢で見たマイケルは、ある計画を行動に移すが…。脚本:香川まさひと
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依頼料の原資は遺産
本作の主人公は両親を亡くした少年マイケル。やや鈍そうな感じもするが、読んだ人を感銘させるエンタメ小説を書くほどの技量も持っている。母の事故死や父の急病死を夢で見ていたマイケルは、自身の予知夢が当たることも確信していた。そんな少年マイケルが、ゴルゴに狙撃を依頼する原資となったのが父の残した財産だ。
同様に遺産をゴルゴへの依頼料とした『アクロバティックス』では、肉親を殺された復讐をゴルゴに依頼しているが、本作ではアメリカが核戦争に突入する未来を避けるために、遺産の一部-最低でもウン十万ドル-を投じている。

ネット時代の依頼方法
ゴルゴと連絡をとるにはいくつかの手段がある。『柩に誓いを』などでは囚人マーカスに送る手紙を端緒として「13年式G型トラクター」の売買を偽る形をとる。そこから数十年、本作ではネット出品中の「13年式トラクター説明書」に注文を出す形に変わっている。
インターネットが発達した現代ゆえか、それともマーカスが亡くなったことで連絡方法が変わったのかもしれない。ちなみに2012年11月7日、毎日新聞夕刊1面に「13年式G型トラクター買いたし」の広告が掲載された。企画広告だったが、注目を集めたのは言うまでもない。
ゴルゴでもショックな夢
マイケルが依頼した狙撃をあっさり完遂したゴルゴ。しかしラストシーンでは航空機の座席で夢にうなされて目を覚まし、フライトアテンダントに心配されている。荒く息を吐いて結構な寝汗をかいている様子からも、心理的に相当なダメージを受けた様子が伺える。
マイケルから予知夢について聞いたゴルゴは、「人智を超えた出来事などいくらでもある」と言い切っている。『心霊兵器』『テレパス』で異能者と対峙した経験のあるゴルゴならではの言葉だ。それでも最後にマイケルがとった行動、そしてそれを夢に見るのは、ゴルゴでもショックだったようだ。

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2024年7月現在、単行本化はされていません。単行本化までしばらくお待ちください。

研 修治

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