この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第17巻収録。ゴルゴへの依頼の仲介役として、たびたび登場する事となるキャラクター、マーカス・モンゴメリーが初登場するエピソード。肉親を殺したゴルゴへの復讐を誓うリカルドは、スペイン陸軍に2年間入隊し、銃の腕を磨いてきた。一方、国際的秘密機関の者と名乗る男たちがリカルドに接触してきて……。脚本:K・元美津
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登場!マーカス・モンゴメリ
ゴルゴへの依頼ルートの一つ“モンゴメリ・ルート”で重要な役割を果たすマーカス・モンゴメリが本作で初登場している。シリーズでもたびたび登場し十指に入る名バイプレイヤーであるマーカス。ただ今エピソードだけでは情報量が少なく、ただの謎めいた囚人としか見えないし、ゴルゴとの関係性もわからない。
どうやってゴルゴと知り合ったのか?なぜ依頼ルートで重要な役割を任されているのか?そんな声に押されてか、後のエピソード『マークのリクエスト』ではモンゴメリの果たす役割や、ゴルゴとの信頼関係構築の過程が立体的にわかるようになっている。

ゴルゴは人生の教科書
“信用できる依頼人には緊張を解く瞬間があるはず”という大佐の仮定が根本的に誤りであることは、ゴルゴに面談を果たすまでの各工程でわかっても良さそうなものだ。初めの仮定が間違っていても行動修正できるチャンスがあったはずなのに、大佐は自らの計画に酔いしれてしまったか……。
策士、策に溺れるという典型で、人生において先入観はできるだけ排除すべしという戒めと、必要に応じて行動修正することの重要性を学ぶことができる。ゴルゴは人生の教科書である。ラストで大佐が自分の正体を明かさずにいたこともオトコ気の教科書として捉えてよいだろう。
切れ長の瞳のバイラオーラ
スペイン女性は情熱的という世間の定評通り、名もなきフラメンコダンサー(スペイン語でバイラオーラ)もまっすぐに情熱的だ。ゴルゴを追いかけてきてベッドを共にするし、「血の臭いがするような男が……好き」「ぎりぎりの中で生命を燃やしているような男といっしょに燃えつきてしまいたい」と普通の女性ならとても口にしないようなセリフをさらりと言ってのける。
情熱的で刹那的……。男ならこんなセリフを一度でも言われてみたいものである。それにしてもこのバイラオーラの瞳の切れ長具合は素晴らしい。暗い雰囲気に終始する作品に鮮烈な華を咲かせてくれている。

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片山 恵右

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