この記事の目次
簡単なあらすじ
ワイド版第39巻に収録。吉村の娘・りつが財満の役宅に討ち入り、父の仇として財満を殺害する事件が発生。りつは何故そこまで確信を持てたのか……?
りつはもう一人の仇で、財満の娘婿である大須賀七十郎も狙うとみて、辰蔵は七十郎をマークする。辰蔵の真剣による初のタイマン勝負が迫力満点!
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幼なじみ・辰蔵が活躍
前話『在中庵の茶入』の続編。後編のみどころは、りつの幼なじみである辰蔵の活躍です。りつは藩の要人を殺害したため、指名手配されてしまうんですね。
切腹命令も下っているため、なんとしても小室藩側よりも先にりつを発見し、命を救おうと奮闘する辰蔵。りつはもう一人の仇で、財満の娘婿である大須賀七十郎も狙うとみて、辰蔵は七十郎をマークします。
この頃の辰蔵は、アダルト本を読んでいるところを平蔵に見つかっていた辰蔵とは違い、もう立派な青年で頼もしい。辰蔵のベストエピソードに挙げてもいいくらいの大活躍です。


列女・りつが仇討ち二連勝
茶入の紛失からりつの父殺害まで、裏で糸を引いていたのは財満平八郎ですが、実際にりつの父を殺害したのは財満の娘婿・大須賀七十郎です。
当然のごとく七十郎の殺害も企てるりつ。じつは劇画シリーズに登場し、仇討ちを果たした女性キャラのなかで、二人の敵を討ちとったのはりつ唯一人なんですね。
その手口も腹部を短刀で一突きしたあと、しっかりと喉元をかっ切る徹底ぶり。劇画シリーズの列女大賞はりつで決まりでしょう。
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辰蔵vs七十郎のタイマン勝負も見逃すな!
七十郎を襲うりつでしたが、七十郎はなかなかの剣客で形勢不利となるりつ。そこで辰蔵が助太刀に入るわけですね。ここで辰蔵vs七十郎の一騎討ちが実現します。
りつと辰蔵は幼なじみで、「りつは辰蔵くんのお嫁さんになる!」などと戯れていた仲。このあたりが前ふりで描写されていますので、この助太刀の場面は涙を誘います。
劇画シリーズ中、辰蔵が活躍するエピソードは多々ありますが、真剣でのタイマン勝負はこの『女の道義』だけ。ページ数もふんだんに使っており、お父さんの平蔵でもこんなにページを使った一騎討ちはないのに、どうするんだ辰蔵!といった白熱の真剣勝負。
まさに仇討ちファンにも、烈女ファンにも、一騎討ちファンにも大満足の一編ですね。


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秋山 輝

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