この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第169巻収録。驚異的な臭覚で「ドッグマン」の異名をとる官能士・チャクラポン。彼は自慢の臭覚をもって、飲料メーカー最大手・エナジーオン社の看板商品をコピー改良することに成功する。脅威を覚えたエナジーオン社は、ゴルゴにチャクラポンの臭覚を奪うよう依頼する……。
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今回は“鼻”を潰す依頼
ゴルゴ13も時にはターゲットを殺さない方法を強いられることがある。もちろん彼の驚異的な身体能力と頭脳によって攻略されてしまうのだが、その方法を推理するのも面白い。
本作では、ドッグマンともあだ名される嗅覚が優れた男の“鼻”を潰すようにライバル企業の社長から依頼される。企業間のいきさつをお見通しなゴルゴの核心を突いた追及に大会社の社長がタジタジとなる様子は読んでいて愉快になるばかり。もっとも、それはそれ、依頼は依頼として任務に没入していくゴルゴにはいつもの安心感がある。
ゴルゴの鼻を明かした警備主任
目的を考えれば、ドッグマン本人を殺してしまっても結果は同じなうえ方法としても簡単なのだろうけれども、後々を考えて慎重になる依頼人の要求にゴルゴが応じてみせる手腕は見事。直接人体を傷つけずに鼻(嗅覚)をダメにする方法をどれだけの人が思いつくだろうか。
本作ではもう1つ見どころがある。ターゲットとなったドッグマンのいる施設へと侵入する際にゴルゴは地下からマンホールを通るのだが、ゴルゴと分からないまでも不審者が侵入したことを警備担当者によって見つかってしまうのだ。
ああ、これでゴルゴの油断が1つ減ってしまった
不審者の捜索が厳しくなる中、侵入したことに気づかれたゴルゴは「俺が侵入した事をどうして知ったのだ?……」「優秀な警備主任らしい……」と自戒する。
結局スナイプの妨げとなるほどの致命的なミスにはつながらなかったものの、ゴルゴでもうっかりミスがあるものだとホッとするし、そんなゴルゴのうっかりを見逃さない熟練した現場の人間もいるものだなと感心させられる。ゴルゴの侵入が発覚した理由として、警備主任の言葉を陰でひそんでいたゴルゴが耳にする。ああ、これでゴルゴの油断が1つ減ってしまった。
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研 修治
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