この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第22巻収録。モザンピークを支配するポルトガル植民地軍は、まもなく就任する新総督を迎えるため、ゲリラによる武器持込みを取り締まっていた。モザンビーク民族解放戦線からの依頼で現地を訪れたゴルゴは、植民地軍から執拗にマークされ武器を持ち込めない。新総督就任当日、ゴルゴは驚きの方法で愛用銃を入手する……。脚本:岩沢克
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初期作品ならではの残虐描写
今作では敵となる植民地軍側の残虐性が多く描かれている。その中でも隊長と呼ばれる男がとりわけ恐ろしい。まず見た目からしてだが、右目に大きな黒い眼帯を付けて、もう片方の左目は残虐性に満ちた鋭い目つきをしている。
この男、見た目通りに恐怖で民衆を支配する。列車でモザンピークに入ってきた人々を執拗に臨検し、新総督を狙う民族戦線側の人間である疑いがあれば容赦なく射殺。そんな人の皮を被った獣たちに、ゴルゴは目を付けられることになる。

哀れナリ。弱小軍曹
モザンピークに入ってきたゴルゴを怪しむ隊長は、部下の軍曹に行動を見張るよう命令する。この軍曹と呼ばれる男の咬ませ犬ぶりも今作では印象的だ。軍曹はゴルゴが滞在するホテルの女性店員に目をつけ、部屋へ強引に連れ込もうとする。
その姿をゴルゴに見られた軍曹は、「なんだってめえ!なにか文句あるのか!?」とゴルゴに挑みかかる。その後の展開はゴルゴファンなら容易に想像がつくだろう。逆恨みをした軍曹は、そのあとも銃を片手に凶行に出るが、ゴルゴに素手のみで粉砕されてしまう。その弱小ぶりたるや、シリーズ屈指といっても差し支えあるまい。
伝説の“全裸に靴下”姿の真相
地獄の回廊と呼ばれる幹線道路を新総督が通過する当日、ゴルゴは恨みを買った軍側に執拗にボディチェックをされる。その際のゴルゴのいでたちが可笑しい。軍曹に裸になれと容赦なく素っ裸にされるのだが、なぜか靴下と革靴は履いたまま。
それでいて無言の圧力で周囲を威圧する姿に、なぜか笑ってしまうのだ。もとより、革靴に仕込まれたリモコン装置によって突破口を見出していることを考えれば、ゴルゴにとっては必然であったのかもしれないが。

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秋山 輝

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