この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第154巻収録。IRAが誇る凄腕・マクレガー。彼の信条は「思想よりも金」。そのマクレガーが和平崩壊を目的に、リットン卿の城を占拠する事件が発生する。一方、過去にマクレガーを雇ったロシアとイギリス両政府は、その事実が公になることを恐れ、マクレガー暗殺をゴルゴに依頼。追い詰められたマクレガーは、ゴルゴに一騎討ちを挑むが……。
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紛争で金を稼ぐ男
今回のターゲットはIRAのテロリスト、マクレガーだ。彼の父は熱心なIRAの活動家であった。しかしイギリスの軍法会議で無実の罪をきせられ処刑される。そんな父の無念を晴らそうと、盛り上がる和平気運に水を差すべく、テロを計画する。
話の冒頭では同情に値したが、じつは紛争を金に変える目的を持った職業的テロリストだった。こういったキャラは大体あっさり狙撃されてしまうのだが、マクレガーは違った。最後にゴルゴとサシの勝負を挑み対決するのだが……。嫌なやつかと思えば、最後は誇り高く散った。何となく愛してしまうキャラであった。
一対一の勝負は受けて立つゴルゴ
マクレガーたちの襲撃に備え、ベルモントキャッスルで待ち構えるゴルゴ。結果、テロを5秒で制圧、公にしたくないという依頼内容も守る。狙撃する側からの視点で襲撃パターンを読んでいるのだろう。最後の一対一の対決も短いシーンではあるが、息を呑むシーンだ。
普通に考えれば依頼を遂行するだけなら、あえて勝負を受けなくてもいいはず。だが、ゴルゴは相手がプライド持って挑んで来ればそれに応える。冷酷なマシーンのような男といわれるゴルゴだが、こういった人間味の感じられるところがファンの心を掴むのだろう。
プロテスタントとカトリック
今回の話に出てくるIRA(アイルランランド共和国軍)。このIRAとイギリスの戦い『アイルランド紛争』。何となく話には聞いたことがあるが、実際にはよく知らない話だ。同じキリスト教中での派閥争いの延長で、国同士の紛争になっている。
日本でも異教徒同士の争いはあったが、仏教内で宗派の争いはあまり聞いたとこがないような気がする。なかなか日本人には理解できない紛争だと思う。調べてみると、かなり過激なテロ行為をしていたようだ。このようなニュースでは聞けない話をゴルゴで知る。私の中でゴルゴを読むときの楽しみの一つになっている。
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秋山 輝
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