この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第98巻収録。凋落の一途をたどる5大ファミリーの一つ、フェリ・ファミリー。ボスの息子で駆け出しの構成員・ファブは、一刻も早く「ワイズガイ」となって組織を立て直すため、トルコのヘロインを扱うことを決意する。マフィアの正式メンバーの証「ワイズガイ」の称号を手に入れるべく、奮闘する男たちの姿を描く短編。
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オールド・ファンも楽しめる一編
ボスの息子・ファブと、構成員で親友のジュゼッペの友情を軸に、マフィア同士の抗争を描く平成ゴルゴ作品です。こういった硬派な作品は昭和ゴルゴに多くみられる特徴。平成ゴルゴには経済モノとか政治モノが多くなった分、暗黒街をテーマにした作品は少なくなった印象があります。そういった意味で、オールド・ファンにも懐かしさをもって楽しんでいただける一編といえるでしょう。
ファブの死。ジュゼッペの覚悟
マフィアの正式メンバーの証「ワイズガイ」の称号を手に入れることは、固い友情で結ばれたファブとジュゼッペの夢でした。作中でファブはユダヤ系組織に殺されてしまうのですが、ユダヤ系組織との抗争を恐れて尻込みする上層部を尻目に、ひとり仇討ちを決行するジュゼッペの姿には心打たれるものがあります。男同士の友情や仁義を描くアナログなストーリーがお好みのあなたに、特にオススメしたい一編です。
狙撃作品ランキングでも上位に
ゴルゴ13研究家・杉森昌武さんがお奨めする『奇跡のスナイプ・ランキング』では第2位にランクインしている本作。ベルトのバックルを利用した跳弾でターゲットを仕留めるわけですが、どんな狙撃かは読んでのお楽しみ。いずれにしても荒唐無稽な狙撃なのは解っているんですが、妙にリアリティを感じてしまう。ここがゴルゴ13シリーズの秀逸なところですね。
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秋山 輝
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