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簡単なあらすじ
SPコミックス第125巻収録。米ロが共同で設立した石油会社「ジェイソン・モスクワ」の本社ビルが、ロシア革命を掲げる武装グループに占拠され30人が人質となった。事件解決を任されたプロの交渉人スティーブ・マコーマーは赤十字に扮してビル内に潜入、徐々に武装グループの心を開いていく。しかし人質のなかにはクーデター阻止を依頼されたゴルゴの姿があり……。脚本:国分康一
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主役はゴルゴ……でなく交渉人
ロシアとアメリカが共同で設立した石油会社にテロリストが突入して人質を取ったことから物語が始まっている。本作でメインに描かれるのは保険会社から依頼されたゴルゴ……ではなく、交渉人(ネゴシエーター)のスティーブ・マコーマー。
冒頭で彼の過去に起きた失敗を描いた後、保険会社の関係者から、「信用を挽回する万に一つの機会だぞ」と言われて仕事に挑んでいる。日本ではドラマくらいでしか馴染みのない交渉人だが、外国では専門に請け負う会社などがあるとのこと。命の危機すらある危険な仕事のため、当然ながら破格の報酬なのだとか。

アメリカとロシアの共同作戦
最初に現場を包囲したのはロシア警察。そこを訪れたのがアメリカの特殊部隊デルタフォースだ。共同作戦と言われたロシア側の責任者が、「なんだとっ!?」と驚くのも当然だ。
しかし、ロシアの厳しい経済状況を指摘されたり、銃を突きつけられたりして、「偉大なるソビエト連邦が健在なら、こんな屈辱は……」と愚痴ってしまう。銃を収めたデルタフォースの責任者が笑みを浮かべているように見えるのは気のせいだろうか。最終的にロシア警察が突入するものの、テロリストは逃げ終えた後。空振りに終わったロシア警察とデルタフォースが滑稽だ。
徹甲弾はどこに持っていたの?
本作で気になることが1つある。最強の軍事ヘリとしているハインド(ミル24)をゴルゴは奪ったドラグノフで狙撃している。「ドラグノフの銃弾程度なら、何発撃とうが、かんたんに跳ね返してしまいます」と敵は安心しきっていたものの、ゴルゴはチタニウムで補強したローター部分に4発の弾を集めてヘリを墜落させている。
最後に徹甲弾の説明を加えてゴルゴが狙撃できた種明かしをしているものの、徹甲弾を人質となる前から持ち歩いていたのだろうか。とすれば、ゴルゴの先読みの力は見事と言うよりないが、さすがに無理筋に想えてしまうのだが。

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研 修治

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