この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス未収録作品。ジェーンとジェニーは大富豪の家に生まれた双子の姉妹。すべてを同じように与えられ、すべてを等しく分け合うことが二人の信条であった。そんな姉妹のまえにIQ180の頭脳を持つ男性・コールマンが現れる。一人の男を同時に愛してしまった姉妹がゴルゴに依頼した驚愕の内容とは…? 脚本:ながいみちのり
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双子の依頼人
自らのルールに合っていれば自殺同然の依頼も受けるゴルゴ。『HAPPY END』では冗談で自らの命をターゲットにする依頼を受けたが、本作では愛情が発端となった自死をめぐる依頼を受けている。依頼人のジェーンとジェニーは才色兼備の双子で、政府に影響力を持つような富豪の父がいる。
欠点は彼女らの性格だ。家庭環境や幼少期の経験により「2人で何でも共有する」ことを信条としてしまう。この考えを持った時点で、2人はある種の狂気に踏み込んでいると言えるだろう。だからこそ、自殺同然の依頼をゴルゴにしたに違いない。

3択のトロッコ問題
IQ180でエイリアンと呼ばれるほどの頭脳を持ったコールマン。彼を同時に好きになった2人は、コールマンに「愛している方を選ぶ」「選ばれなかった方はゴルゴに殺される」「どちらか選べない場合はコールマンがゴルゴに殺される」の選択を突き付けた。
誰の死も望まないコールマンは、IQ180をフル回転させて依頼の解消を試みる。しかし安全保障に関わる仕事柄、ゴルゴの“ルール”を知るコールマンは、自分が死ぬと言う2人を生かす選択も取り切れないまま崩れ落ちた。これはある種のトロッコ問題だが、皆さんは選べるだろうか。
条件は真実か?
双子が共に死んでしまっては、富豪の父親も激怒するだろうし、生き残ったコールマンの未来は閉ざされたも同然。そこで何とか抜け穴を見つけたい。例えば双子がコールマンに明かした条件は真実だろうか。例えば「選ばず逃げ出すようなら、殺すほどの価値はない」としていた可能性はある。
もしくは「私達を生かすために自殺しかけたら止めて」もありそうだ。引き金に指を当てたコールマンが力を込める瞬間に、ゴルゴが銃を打って自殺を阻止。命すら惜しまないコールマンの決断に双子は感激する。かなり強引だが、これなら3人で歩む未来もありそうだ。
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2025年5月現在、単行本化はされていません。単行本化までしばらくお待ちください。

研 修治

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