この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第25巻収録。傭兵部隊の派遣で儲けを出しているハミルトンは、東側スパイのラエフスキーの暗殺を子飼いの傭兵・モランド大佐ではなく、ゴルゴに依頼した。プライドが許さないモランド大佐は、自身が育てた傭兵部隊“カリフォルニア軍団”を率いてゴルゴに勝負を挑むのことにする。脚本:北鏡太
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50人の軍人集団との圧巻の戦闘シーン
本作の見所はタイトルにもなっている軍人集団「カリフォルニア軍団」とゴルゴの激闘。バイク、自動車、銃撃部隊と次々と襲ってくる敵に対し、ゴルゴは一騎当千の活躍を見せる。敵対者が武装集団を送り込んでゴルゴを亡き者にしようとする話は多いが、今回の流れは特にテンポがよく、ゴルゴの圧倒的な強さを堪能したい方にはオススメだ。
ラストはガソリンスタンドでの戦闘となるが、咄嗟に給油機を使って敵兵を火ダルマにするゴルゴに戦慄。今回最も苦しい死に方をしたのは彼らだろう。いっそ一思いに銃で殺してほしいと思ったに違いない。

珍しく?軍人の矜持に満ちた立派な敵
本話で光っているキャラは、何といってもカリフォルニア軍団を率いるモランド大佐。軍人としての見識と矜持に満ちた彼は、ゴルゴを決して侮らず、20人の部隊を50人に増員して万全の布陣で迎え撃つ。
それでも相手が悪く、軍団は全滅の憂き目に遭うのだが、この作戦は自分の独断だと述べ、最後まで雇い主を守ろうとする大佐の態度は見事なものだった。ゴルゴも戦いの最中からそれを分かっていたのか、大佐に対峙した際には名前を尋ね、さらに彼の最期の言葉にも納得した返答をしている。ゴルゴの好敵手にもなりえた魅力的なキャラだった。
ゴルゴの敵にも味方にもなれない小物キャラ
立派なモランド大佐と対照的に、なんとも小物感が漂うのが探偵のボブだ。ゴルゴの動きを追って軍団との戦闘に巻き込まれた彼は、ゴルゴの味方を名乗って飛び出すものの、当の彼に全く相手にされないまま敵兵の銃弾に倒れてしまう。
「やっぱりあいつは……金づるじゃなく疫病神だった……」と言って息絶える最期は、「疫病神も何も、あんたが勝手に首を突っ込んだんだろ」とツッコミたくなる可笑しさがある。『波止場を我が手に』のニックといい、ゴルゴの敵にも味方にもなりようのない小物の小物ぶりも『ゴルゴ13』の魅力の一つといえる。

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東郷 嘉博

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