この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第68巻収録。ベトナム戦争の英雄ストライカーは、アメリカが戦場で使用した枯葉剤の影響で、末期癌に侵されていることを知る。意気消沈して帰宅したストライカーは妻の浮気現場に遭遇。衝動的に妻を殺害してしまう。彼は天涯孤独になってしまう娘に金を残そうと、ゴルゴ暗殺の仕事を引き受ける。脚本:K・元美津
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ゴルゴとベトナム戦争の関わり
ゴルゴシリーズが始まったのは1968年。ベトナム戦争が終結を迎えたのは1975年。世界でも有数のスナイパーであるゴルゴがベトナム戦争に関わっていないと考える方がおかしいだろう。
ベトナム戦争の最中にゴルゴが関わった作品では『ペガサス計画』などがある。『地獄からの生還者』では過去の出来事として、ゴルゴがベトナム戦争で捕虜になっていたことを描いている。
ターゲットに近づくためにわざと捕らわれの身になったり、不審な行動をとって捕まったりすることもあるゴルゴ。ベトナム戦争での捕虜経験も勲章の1つになりそうだ。

ベトナム帰還兵との対決
ベトナム帰還兵が登場する話として『禁じられた言葉』などがある。本作でメインに描かれるダニエル・ストライカーもベトナム帰還兵だ。
ただし所属部隊において射撃ナンバーワンや格闘技S級の優秀な能力に加えて国への高い忠誠心を持っているものの、戦中に使用された枯葉剤の影響で末期のガンに侵されてもいる。
「それでゴルゴに対抗できるの?」と思うのだが、浮気をした妻を自分の手で殺し、残された一人娘にお金を渡そうと考えている環境が、「強力な潜在力(ポテンシャル)に、なるかもしれんな」と依頼人は考えたらしい。
ゴルゴを狙った黒幕の行方は?
結果はゴルゴの勝利に終わるものの、ゴルゴの対応には不可解な面が多い。特に正々堂々の勝負を受けたところが不思議だ。
さらに黒幕の存在も気になるの。ダンに依頼したのはペンタゴン(アメリカ国防総省)の高官らであることが描かれている。彼らは枯葉剤に侵されたダンを政治利用させないためゴルゴに向かわせたと明かしている。つまり万一にもダンが勝てば良し、ダンが負けても“予定通り”とのこと。
しかしゴルゴは敵対した人間を許さないことを彼らは忘れているようだ。最後のコマで顔をゆがめて冷や汗を流している高官はどうなっただろうか。

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研 修治

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