この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第159巻収録。モンタナ州の田舎町にヘリが墜落した。保安官助手のティムをはじめとする住民たちは、ヘリの機体から大金を発見する。ティムたちは瀕死の乗組員ごと始末して、金を強奪しようと画策。しかし偶然、町に立ち寄ったゴルゴに一部始終を目撃されたと勘違いし……。脚本:ながいみちのり
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ゴルゴのついてない一日
人にはだれしも運の良い日と悪い日がある。ゴルゴにとって運の悪い日は、この『町が死にゆく時』での1日だったに違いない。物語の冒頭で飛び出してきた熊をよけたゴルゴは、乗っていた車を大破させてしまった上に重傷とは言えないまでも足に怪我をしてしまう。
そして通りがかった保安官に見つかったことで少なからぬ保釈金まで支払っている。さらにトラブルは続く。ゴルゴに秘密を知られてしまったと勘違いした町の人達に命を狙われてしまうのだ。
哀れナリ。悪徳弱小保安官
ここで私ならずとも『ゴルゴ13』の読者であれば、「余計なことはするんじゃない!そのまま放っておけば、ゴルゴは町を出て行くんだよ」とアドバイスしたくなるものの、当然ながら町の人達に聞こえることはない。彼らはゴルゴの寝込みを襲うのだけれども、案の定返り討ちにあって十数人の男達は全員殺されてしまう。しかも彼らの武器で、だ。
はっきりとは描かれていないものの、町に残ったのは別件で町を離れていた保安官と酔っぱらって牢屋に入っていた老人の2人きり。どうやら女性や子供もいないらしい。日本のあちこちでも過疎が問題になり、とうとう廃村となってしまった村がいくつもある。この町も同様、遠からずして無くなってしまうのは間違いない。
ゴルゴにとって最も大きな破壊物
ゴルゴのターゲットとして圧倒的に多いのは人間だ。しかしゴルゴが破壊したものとしては、『見えない翼』でのステルス戦闘機や、『軌道上狙撃』での人工衛星がある。さらに『直線と曲線の荒野』では火薬を誘爆させることで広大な弾薬庫を丸ごと吹き飛ばしている。しかし意図しないながらも町ひとつまるごとを壊滅に追いやった点では、ゴルゴにとって最も大きな破壊物の1つと言えそうだ。
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研 修治
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