この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第141巻収録。大手映画会社がゴルゴをモデルにした映画の製作に乗り出した。社長のキャンドレスは舞台となる傭兵学校で、自らが送り込む刺客とゴルゴとの対決をフィルムに収めようと目論む。ゴルゴ抹殺のために用意された刺客は、ゴルゴとは浅からぬ因縁のある“あの男”だった……。
スポンサーリンク
あの名作の続編が22年ぶりに登場
1979年に発表された名作『ミステリーの女王』の続編である。前作から22年の時を経て“女王”を演じるのは、ハリウッドの映画制作会社大手「シネガイア・ピクチャーズ」のCEO、サラ・キャンドレスだ。キャンドレスは映画のデジタル化の波に乗り遅れまいと、斬新な企画と可能性を持った題材を求めていた。
上昇志向の強い部下・ジョンは、ゴルゴ13を起用し現代版・悪のヒーローを誕生させようと提案する。ジョンの企画を採用したキャンドレスは伝説的傭兵“マッド・マックス”を雇い、ゴルゴとの対決を映像化することを目論むのが本作のストーリーだ。
もう一人の犠牲者、マックス・シュナイダー
本作では22年前の事件での犠牲者が登場する。ゴルゴvsペンローズ戦の巻き添えを喰ったかたちで軍を追放されたマックスだ。彼はゴルゴへの復讐のみを生きがいとして傭兵に転身。“マッド・マックス”と呼ばれる伝説的な傭兵として活躍していた。
タイトルは『ミステリーの女王・2』だが、本質的にはゴルゴとマックスの対決を軸に物語が展開していく。マックスの転落人生や傭兵としての再起、ゴルゴへの怨みつらみが細やかに描かれており、ラストの対決へ収斂されていく様が最大のみどころだろう。
命拾いをした女王と武器屋
キャンドレスはといえば、ロケ現場となった傭兵学校で校長のノートンとちゃっかり恋仲になる肉食ぶり。お楽しみの最中にゴルゴの襲撃をうけ、ノートンは命を落とすが自身は命拾いするという強運の持ち主だ。またゴルゴに協力した武器屋も、マックス陣営の拷問に遭い、ゴルゴが注文した武器一覧を喋ってしまうが、ゴルゴが責任を追及した描写はない。
もっともこれはゴルゴの想定内だった可能性が強く、武器屋が固辞するにもかかわらず、慰謝料先渡しといわんばかりに大金を握らせる描写もある。ゴルゴの非情さが垣間見れる場面だろう。
この作品が読める書籍はこちら
町田 きのこ
最新記事 by 町田 きのこ (全て見る)
- ゴルゴ13:増刊第70話『ブーメランを持つ女』のみどころ - 2024年4月6日
- ゴルゴ13:第360話『間違われた男』のみどころ - 2021年9月6日
- ゴルゴ13:第40話『マニトバ』のみどころ - 2020年4月1日