この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第166巻収録。権力者の圧力により中国の通信社を解雇された記者、文秀と陽輝。文秀の故郷・寒村を訪れた二人は、独裁者である呉の暴虐ぶりを目撃する。この事実を告発するために立ち上がった二人だったが、直後に文秀が襲撃を受け負傷してしまう。しかし文秀を救ったのがゴルゴだったため……。脚本:ながいみちのり
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子どものようなヤキモチをやく陽輝
いちジャーナリストである陽輝は、派手な学歴を持つようなエリート設定ではないかもしれないが頭脳明晰だ。ゴルゴの正体に迫り、弾道を作り出した種明かしまでズバズバと名推理を展開している。それにジャーナリストとしても正義感、倫理観、行動力どれをとっても立派なものであることがわかる。
それでいて、文秀に対して子供のようなわかりやすいヤキモチを見せるのだから、この落差が堪らない。ゴルゴシリーズには珍しいタイプのヒロインである。文秀と結婚したらどうなるのだろうか。中国人夫婦は外面はともかく、かかあ天下が多いというので、文秀をしっかり尻に敷くのだろうか。
歴史的建造物へ対する敬意を払った?
死角と思われた客家土楼の隙間を縫って弾道を確保し、狙撃を成功させるゴルゴ。『死の翼ふれるべし』でギザのピラミッドの奥に隠れたアメールに対しても同様に死角と思われるルートに弾道を確保し狙撃を成功させた。
かと思えば、『アッシュ最良の日』では死角対策として、ビル一棟を買い上げ爆破解体、その隙間から狙撃するという荒技も見せている。ピラミッドは地下に核ミサイルが保管されていたので爆破するわけにはいかないが、客家土楼は爆破する荒技を使う手もあった。歴史的建造物ということでゴルゴも敬意を払い穏当な手段を選んだのかもしれない。
舞台となる地味な安徽省
中国には23の省がある。安徽省は面積は2番目に小さいものの、人口は上から8番目に多い(1省だけで6,200万人!)大きな省なのだが、日本では地味な存在だ。
日本でメジャーな四川省や広東省と比較すると、安徽省の知名度が低い要因は日本で人気の高い文化や観光が少ないこと、安徽省の“徽”の字に馴染みがないためであろう。黄山という世界遺産もあり、歴史的人物も多数輩出(三国志演技の重要人物である曹操、明朝を興した朱元璋、最近では胡錦濤元国家主席や李克強首相)しているのでもっと地名だが上がってもよさそうなものだが。
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片山 恵右
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