この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第60巻収録。オーストラリアでアボリジナルによる独立戦争が勃発した。犠牲者拡大を避けたい統括次官バンゲールは、解放戦線の指揮官・コリアーの暗殺をゴルゴに依頼する。しかし政府が特殊部隊を編成し、アボリジナル解放戦線の壊滅作戦を決行したため、バンゲールはある決断をする。脚本:工藤かずや
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ウラン埋蔵量が世界一の国
オーストラリアと聞いて何を思い出すだろうか。コアラ、カンガルー、グレートバリアリーフ、エアーズロックなどの観光かオージービーフなどのグルメをあげる人が多そうだ。しかし隠れた資源大国の面も持っている。
鉄鉱石、チタン、ボーキサイトなどでは有数の産出国であり、ウランの埋蔵量は約200万トンで世界一を誇り、2位のカザフスタン(約90万トン)、3位のカナダ(約85万トン)などを大きく引き離している。ただしお金持ちが必ずしも幸せとはならないように、この大量のウラン資源が今回の混乱を招く一因になっている。
ゴルゴも称賛するブーメラン
またオーストラリアは人種差別が色濃く残っている面もある。国に反旗を翻したアボリジニ集団のリーダー暗殺を依頼されたゴルゴだが、当然のようにアボリジニ達は反撃してくる。そんな彼らが使った武器がブーメランだ。
狩りの道具として印象が強いブーメラン。ゴルゴですら全て撃ち落とすのは困難で、撃ち漏らしたブーメランがゴルゴ達の乗った車のボディを突き破っている。「近距離でなら近代兵器のウラをかける、恐るべき武器だ」と珍しくブーメランを称賛するゴルゴ。後の『ブーメランを持つ女』ではこの時のことを思い出したのだろうか。
暗殺依頼を中止する方法
目的地にたどり着いてゴルゴがスコープを覗くと、依頼人である男が反乱軍リーダーの司令官服を着て立っている。「!!」と躊躇したゴルゴがスコープから目を離したのも当然だろう。さらに依頼人の娘が、「父(司令官服を着た依頼人)を、撃ってください」と頼んだにもかかわらず、ゴルゴは依頼通りのターゲットにヘッドショットを決めている。
キャンセルするのであれば『情報遊戯』『アクシデンタル』のように、直接ゴルゴに伝えれば良かった。それでも今回の依頼人が「中止」のようにプラカードを掲げた場合、ゴルゴはどんな対応を取ったかは気になる。
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研 修治
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