この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第33巻収録。NATO軍の合同演習中にシージャックが発生。犯人はジャックした戦艦の乗組員の命と引き換えに法外な要求を出す。早速、ゴルゴに犯人暗殺を依頼したNATO軍だが、ゴルゴの補佐役だったロンドン警視庁のグレンジャーが、ゴルゴに「足手まとい」と言われたことに逆上し、単独行動に走ってしまう……。
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読むとステーキが食べたくなるシーン
今回ちょっと面白いのは、ゴルゴがレストランでステーキを食べながら作戦を組み立てているシーン。彼が食べているのは18オンス(=約500g)のステーキで、部位にもよるが概ね2000kcal以上はあるはず。
三大欲求のうち「食」はあまり描写されることのないゴルゴだが、やはり食べる時には大食漢なのだろうか。
その様子を監視している敵が「長い潜水のために、ステーキを食って体力をつけているわけか!」とマジメに分析しているのもシュールで面白い。そしてステーキを口に運びながら電話をかけるゴルゴ。お行儀が悪くってよ。
グレンジャーの妨害を逆手に取るゴルゴ
味方陣営のはずの人物がゴルゴの妨害を試みるという話はしばしばあるが、本話に登場するロンドン警視庁のグレンジャー刑事は特に過激。
ゴルゴをスピード違反で無理やり検挙させて留置場に入れてしまい、かわりに自分が直接戦艦に乗り込んで任務を果たそうとする。読者としては、ゴルゴのピンチよりも「ああ、コイツ死ぬわ……」とハラハラものである。
そんなグレンジャーを逆に囮に利用し、見事に依頼を遂行するゴルゴの勇姿は実に爽快。グレンジャーも死の間際にようやくゴルゴを認めているが、最初から弁えておけば死なずに済んだものを……。
瞬時に助手の適性を見極める?ゴルゴの洞察力
ちなみに、ゴルゴは当初、先述のグレンジャーを助手として紹介されるが、「押し付けられた助手は、かえって足手まといになるだけだ……」と言ってこれを突っぱねている。
しかし他の話を読めば、必ずしもこれがゴルゴのルールとは言えないことがわかる。例えば『アルヘンチーノ・ティグレ』では、パイロット役としてベルファスト中佐をあてがわれ、異存なくこれを受け入れているのだ。
彼は相手の人間性を瞬時に見極め、助手を受け入れるかを決めているのだろうか。事実、ゴルゴの判断は当たっていたわけで、その洞察力には驚かされるばかりだ。
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東郷 嘉博
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