この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第19巻収録。西ドイツの憲法擁護局は、東ドイツから西ドイツへの逃亡を請け負う組織「幽霊定期便」の暗躍に手を焼いていた。首領のカートランドは自分に危険が近づくと、特殊な能力でそれを察知し、捜査陣が到着する前に姿を晦ませてしまうのだという。焦った憲法擁護局は、ゴルゴにカートランドの抹殺を依頼する。脚本:K・元美津
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危機察知能力に振り回された可哀想な男
今回のゴルゴの標的となるカートランドは、なんともクセの強い男。神経質な性格もさることながら、身の危険が迫ると手の甲がかゆくなるという超能力じみた体質を持ち、本人によればその的中率は100%だという。
実際、ゴルゴに狙われた際にも彼はヒステリックに手の甲を掻きむしっており、能力は本物だと思われる。……が、いかに危険を察知できようとも、それを防ぐ手段がなければどうしようもない。ラストで額を撃ち抜かれた彼は、「手のかゆみが、ひいていく……」と言って息絶えたが、どの道死ぬのなら能力などないほうが幸せだった?
禁じ手?の金的蹴りを見舞う珍しいシーン
今回も八面六臂の活躍を見せ、カートランドの刺客を次々と返り討ちにしていくゴルゴ。特に、拳銃を持った相手を容易く素手で押さえ込むアクションシーンは必見だが、この場面でゴルゴは敵に強烈な金的蹴りをお見舞いしている。
男性読者なら悶絶必至のシーンだ。実は、ゴルゴが金的蹴りを使うのは結構珍しく、他にすぐ思いつくのは『アイボリー・コネクション』くらいだろうか。目的のためには手段を選ばないプロフェッショナルといえど、やはり男同士の「暗黙の了解」は弁えているのかもしれない……いや、まあ、現に今回使っているのだけど。
豹にそんなところを舐めさせるのは危険です
今回一番のツッコミどころは、カートランドの情婦が彼のペットの豹とじゃれあうシーン。真っ裸でベッドに横たわる彼女の肌に、豹はぺろぺろと舌を這わせ、仕舞いには「そんなところ」まで分け入っていく……。
いやいや、それは危ないでしょ!猫の舌がザラザラなのは周知の通りで、ライオンともなれば、その舌は「おろしがね」も同然だという(※)。同じネコ科の豹の舌もかなりの凶器であることは間違いない。結局、タイミングよくゴルゴが踏み込んできたことで彼女は難を逃れた(?)が、あと一歩ゴルゴが遅かったらトンデモナイことになっていた?
※出典:『ライオンの舌は「おろしがね」!? 身だしなみにも食事にもフル活用のトゲトゲ舌』
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東郷 嘉博
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