この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス未収録作品。要人ばかりを狙う遠距離狙撃事件の真相を探るパリ警視庁のブサール警部。警視庁に保管されているゴルゴの極秘ファイルまでたどり着くものの、核心に迫れない警部は、ゴルゴと同じ目をもつ少女、ファネット・ゴベールに接触し活路を見出そうとする……。
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ゴルゴの3人の子供たち
ゴルゴの血縁関係はほとんど不明ながら、ゴルゴの子供らしき存在は過去に3人登場している。1人目は『黒い瞳 EBONY Eyes』に登場する娼婦の赤ん坊のジェフ。2人目は『冷血キャサリン』でキャサリンの子供として描かれる幼児ジョーイ。
ジョーイは事故死したと描かれている一方、ジェフは母親が死んだ後の消息は描かれていない。身寄りのない赤ん坊でも生き延る可能性はあるが、ロスアンジェルスの下町では難しそうだ。3人目がファネット・ゴベール。『Gの遺伝子』『ゴルゴダの少女』とともに、本作でもゴルゴJrと言うべき能力を見せている。
フランスとトルコの確執
ゴルゴシリーズを読むと世界情勢の勉強になると感じる人は多いだろう。本作ではパリを舞台として長年に渡るフランスとトルコの硝煙臭い関係を解説している。サブタイトルの“ツィガーヌ”にも「そんな意味があったのか」と思う人も多そうだ。
そうした複雑な状況でパリ警察の精鋭でもゴルゴのターゲットが絞り切れないのは仕方のないところ。それでもファネット・ゴベールに目をつけて、きわどいところまで迫るのはさすがだ。ただし近づきすぎたため、ファネットに変装を見破られたのは残念。ゴルゴの変装に比べればしっかりと手をかけていたのだが。
ファネットはゴルゴの子供なのか
作中でゴルゴは2度の狙撃を行うものの、最後まで直接ファネットに接触することなく終わる。読者としては残念ながら、ちょっと気になるシーンがあった。2度目の狙撃時、ゴルゴは少し離れた高台でキャンバスを立てかけて画家を装っている。
そのキャンバスを見ると、下書きまでだったがターゲットとなったレストランが精緻に描かれていた。思い返せばファネットもパリ学生絵画展で金賞を受賞するほどの腕前を持っている。頭脳や身体的能力とともに芸術的センスも親から受け継いだとすれば、ゴルゴが父親であっても良さそうだが、果たしてどうだろうか。
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研 修治
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