この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第100巻収録。ロスの雑居アパートで老人が息を引き取った。部屋から発見されたのは元FBIロス支局長宛の脅迫状だった。一方、調査にあたった警部は、ウインダムと大女優マリリン・モンローが同じ孤児院に在籍していたことを突き止める。老人はなぜ、元支局長を脅迫していたのか? モンローの死に隠された秘密とは……?
スポンサーリンク
有名人の墓所「ウエストウッド」
タイトルの「ウエストウッド」とは、ロスアンゼルスの西部にある墓地「ウエストウッド・メモリアルパーク」のこと。ここには本作に登場するマリリン・モンローの他、ジェームズ・コバーン、シドニィ・シェルダン、エリザベス・モンゴメリーなど、名だたる著名人の墓所がある。
日本で言えば東京都港区にある青山霊園、もしくは豊島区にある雑司ヶ谷霊園くらいか。
タイトル通りに物語の最後でもウエストウッドの墓地が舞台となっており、ゴルゴが一発で依頼を完遂している。葬儀の参列者にまぎれ、銃音すら響かせないゴルゴの手腕はさすがだ。
ゴルゴに仲介した人物とは?
本作で気になるのは1ページ目の最初のセリフ。依頼人は、「エディ神父から、あなたを紹介されました」と言っている。依頼内容を伝え、「俺の口座に、入金が確認されしだい……仕事に、入ろう」とゴルゴが去るのはいつもの通り。
ゴルゴに依頼を伝える方法は様々だ。『柩に誓いを』『300万通の絵葉書』のように特定のルートで手紙を出したり、『錆びた黄金』『双龍狙撃指令』のように仲介者がいたりする方法もある。
この“エディ神父”も仲介者の一人なのだろうか。他の話には、似た名前の人物や別名の神父も登場するが、それらしい人は見当たらなかった。
依頼料を負担したターゲット
「情けは人のためならず」とのことわざがある。字面から「他人に情けをかけても、その人のためにはならない」と誤解されがちだが、本来は「他人への助力は回り回って自分を助けることになる」との意味だ。
本作におけるゴルゴの依頼料はターゲットが負担している。しかも全て納得した上でのやりとりらしき描写もあり、まさに回り回って自殺をしたような形になっている。
ゴルゴに殺されこそしたもののターゲットは笑顔で死んだ。また依頼人も酒の飲み過ぎが原因らしいが、こちらも死に顔は笑っている。ゴルゴシリーズでは珍しいハッピーエンドと言えそうだ。
この作品が読める書籍はこちら
研 修治
最新記事 by 研 修治 (全て見る)
- ゴルゴ13:第636話『ディープフェイクの亡霊』のみどころ - 2024年9月5日
- ゴルゴ13:第633話『悪徳の彼方』のみどころ - 2024年9月1日
- ゴルゴ13:第629話『逆転の先に』のみどころ - 2024年9月1日