この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第180巻収録。日本の政府開発援助チームがフィリピンのある島を調査中に、地震による河道閉塞(天然ダム)を発見。脱出ルートとして川の利用を考えていたゴルゴは、河道閉塞の被害から下流の村を救うため土石流を防ごうと悪戦苦闘する政府開発援助チームと遭遇する……。脚本:綾羅木恭一郎
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ある意味で不運な人物
本作に登場する日本人フリージャーナリストの深沢は、『大地動く時』『至近狙撃』などにも登場。本人が意図しない形でゴルゴの存在に近づいてしまい何度もヒヤリとしてしまう、ある意味不運な人物だ。
深沢は取材対象となった土木学会の杉原会長に迷惑がかかることを考え、「記事には出来ねえな」と取材したメモを破り捨てており、結果的に時間と手間が無駄になっている。もっとも、その慎重さがあるからこそ生きのびているとも言える。取材対象からも、「あなたはとても優秀なジャーナリストだ」と評されており、いずれは特ダネをつかむこともありそうだ。
ある意味で幸運な人物
深沢を不運な人物と書いたものの、ゴルゴファンにとってはうらやましい存在だろう。その意味で考えれば杉原会長は幸運な人物となる。なにせゴルゴの狙撃を間近で見た人間の1人なのだから。ゴルゴがスナイプの現場を見られることは少なからずある。
特に依頼者がゴルゴの狙撃を確認することは多く、その仕事内容を考えれば当然と言える。本作で依頼者となった杉原会長は、無料でしかも2発もの狙撃を間近で見ている。ゴルゴファンなら垂涎ものだ。残念な点があるとすればハンターを名乗ったゴルゴが使った銃がM16ではなかったことか。
新宿区四谷一丁目にあるのは
杉原会長が所属する“日本土木工学会”なる組織は現実には存在しない。しかしながら似た名前を持つ団体として公益社団法人の土木学会がある。そして東京都新宿区の四谷一丁目には土木学会の本部建物が存在する。
どこまで取材したのか分からないものの、おそらくそれらをモデルにしたのだろう。本作ではJR四谷駅を始めとして、四谷近辺の光景がところどころに描かれている。聖地巡礼と書いては大げさかもしれないが、四谷付近を歩いて深沢の気分になってみるのも面白いかもしれない。ただ深沢のガッカリ気分まで真似る必要はないだろうが。
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研 修治
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