この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第115巻収録。長きに渡りCIAのスパイとして活動してきた音楽家・オッペンハイマー。彼はCIAとの窓口になっている音楽事務所のハロルドに、スパイを辞めたいと申し出る。しかしその会話を特殊な聴力をもつライバル指揮者・ザウバーに盗み聞きされ、スパイだった過去をマスコミにリークされてしまう……。
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ゴルゴは趣味を持っているのか
依頼やトレーニングには熱心に取り組むゴルゴだが、趣味はあるのだろうか。『いにしえの法に拠りて』などでは本を読んでいる様子こそあるものの、特定の趣味に熱中する様子は見られない。本作で音楽ホールに現れたゴルゴは演奏内容を問われて、「力が落ちたようだ」と答えている。
つまり以前にも同様の演奏を聞いたことがあり、その差を聞き取る力量があることを示している。後にターゲットとなる男から、「本物の耳を持った人間が一人はいたんだ」と驚かれているが、音を聞き取ることと演奏を評価することは別もの。ゴルゴが意外な面を垣間見せた場面だ。
リボルバーを使うゴルゴ
聴覚が異様に敏感なターゲットを狙撃するため、ゴルゴは演奏中の音楽ホールを仕事場に選ぶ。舞台上で指揮棒を振るターゲットと音楽ホールの最後方から狙うゴルゴ。二人の距離はホールを描いたコマから見ても50メートル以上はありそうだ。
そんな距離の狙撃をゴルゴはサプレッサー(消音装置)を付けたリボルバーで成し遂げてしまう。リボルバーにサプレッサーを付けてもあまり意味はなさそうな点は横に置いて、それでも50メートル以上の距離をリボルバーで狙撃は可能なのだろうか。「ゴルゴだからね」と言ってしまえばそれまでなのだが。
蚊帳の外に終わってしまったCIA
『価値なき値』『ナイトメア』など、ゴルゴシリーズに度々登場するCIA。ゴルゴの敵とも味方ともなっているが、本作では著名な音楽家を亡命させ、その後もスパイとして利用する存在として描かれている。モデルとなった人物や事件が存在するのかは分からないが、そんなことがあっても不思議ではなさそうだ。
そうした出来事を暴露されたCIAが抗議だけで済ませたことにメンバーは、「CIAもだらしなくなったものだ」などと吐き捨てている。そんなメンバーですらご丁寧にも狙撃の解説役を務めている。本当に「だらしなくなったものだ」。
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研 修治
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