この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第146巻収録。レーザー兵器で目を照射され、ゴルゴが視力を失ってしまうショッキングな一編。国際会議でレーザー兵器の使用が禁止されたが、それをよく思わないMI5のカークは秘密裏にレーザー兵器の開発に着手。使用禁止決定に寄与したゴルゴに対し、レーザー兵器を使用するのだった。視力を失ったゴルゴが協力をもとめた人物とは……?
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非人道的兵器”レーザー失明兵器”
非人道的兵器として今エピソードに登場する”レーザー失明兵器”は『乳白の闇』で既出である。『乳白の闇』では目にレーザーを当てられることなく、敵(タップス)を倒したゴルゴだが、レーザー失明兵器への恐ろしさを把握したと思われる。
その後、赤十字へ多額の寄付を行い、レーザー兵器の開発使用を禁止すべきというアピールをさせている。従って、エピソード中で明記はされていないが、『乳白の闇』→『いにしえの法に拠りて』は続き物として読むことができる。赤十字の他にゴルゴは国連へ寄付をしたこともある『G資金異聞 潮流激る南沙』でなんと200億ドル。
緊急駆け付け眼科医
ゴルゴは様々な「もしもの時」に備えているが、ロンドンで視力のトラブルが発生した時に深夜でも緊急に駆けつけてくる眼科医を確保していることが、今エピソードでわかる。
ドクターの言葉を借りれば“高額の顧問料”での契約ということになる。初診の1か月半後、同じドクターがゴルゴの視力について診察しているが、場所は初診時のクリニックではなくゴルゴの診療船(『PRIVATE TIME』と同じ船と思われる)である。余談であるが『PRIVATE TIME』で乗船していた執事と今エピソードで乗船していた執事は容貌から判断するに別人である。
同態復讐法「目には目を……」
古代の法律としては最も有名かもしれない”ハムラビ(ハンムラビ)法典”。『目には目を歯には歯を』のアレである。エピソード内で同態復讐法と紹介されている。子供同士のケンカを裁くのに使い勝手がよく、そのため広く人口に膾炙(かいしゃ:広く知れわたっていること)しているのかもしれない。
さて、当然ながらゴルゴは子供のケンカではなく、命を懸けてこの同態復讐を遂行している。そこには自分を攻撃してきたものへの反撃ということに留まらず、レーザー兵器使用禁止を世界的に浸透させるための同態復讐なのである。ゴルゴにしてそれだけ警戒せざるを得ないレーザー兵器、恐るべし。
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片山 恵右
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