この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第199巻収録。ある町の市長から、次期市長選の対立候補を失脚させるため、対立候補の資金源となっているマフィアの暗殺を請け負ったゴルゴ。しかし直前になって配送中の愛銃・M-16を何者かに盗まれてしまう。何者かの関与を疑い調査を開始したゴルゴだが……。
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鍵となるライフルマーク
ライフルマークとは、銃から弾丸が発射された際についた傷のことだ。線条痕ともいわれる。銃身の内側には、ライフリングというらせん状の溝が刻まれており、弾丸が発射されると、この溝に沿って弾丸は回転し、弾道が安定する仕組みだ。
ライフルマークはこのライフリングを通過する際に弾丸につく傷で、銃身によって傷が異なる。ライフルマークを比較すれば、どの銃から発射された弾丸かがわかるため、犯罪捜査では指紋やDNAのように重要なものだ。本作では、このライフルマークが重要な役割を担っている。
完全にクロなバリー
本作では、バリーという人物がゴルゴの狙撃した事件の容疑者になってしまう。無論ゴルゴがしたことではない。ゴルゴは自分の知らないところで、自分が利用されることを極端に嫌う。『殺人マニュアル』『ズドロナス・マリヨ』『複合標的群』『DEATH POOL』などで、ニセ者やゴルゴの名前を利用した者が制裁を受けており、本作も例外ではない。
しかし一見したところ、バリーの容疑は濃い。バリーと同じ外見の人物が犯行時刻前後に防犯カメラに写っているし、ガンバッグまで持っている。さらに犯行に使われた弾丸と、バリーが数日前に撃ったプレーリードッグの体内から出てきた弾丸のライフルマークが一致。これだけの材料が集まっていれば、例えバリーが無実を訴えようと、有罪確定のレベルだろう。
新たな刑事キャラは凸凹コンビ
ここで登場するのがシャピロ刑事だ。作品にはなっていないようだが、かつてゴルゴに煮え湯を飲まされた経験があるらしく、ゴルゴを執念深く追い続けている。どう考えてもバリーが犯人という状況で、なんとかゴルゴに結びつけようとする執念はすさまじい。
相棒のフィオナ刑事は、真面目な刑事だが、シャピロの飛ばしっぷりについていけていない。当たり前だろう。「私、頭悪いんですかね。よくわからない」と言っているが、そんなことはない。シャピロが異常なだけだ。凸凹なコンビだが、意外とウマが合っているような気もするので、続編を見てみたい。梶本記者のように準レギュラー化してもらえないだろうか。
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秋山 輝
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