この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス未収録作品。メキシコの麻薬カルテルに両親を殺された過去を持つ黒人青年・ロイ。復讐を誓い遠距離狙撃の腕を磨くロイは、ある日、射撃場でゴルゴと出会う。射撃上達へのアドバイスを求めるロイに対して、ゴルゴが言い放った言葉とは…? 脚本:NUMBER 8
スポンサーリンク
狙撃アプリとの出会い
スナイパー(狙撃手)とスポッター(観測手)の関わりについては、2012年発表の『スナイパーたち』を読むとよく分かる。10年ひと昔と言うように技術の発展は目覚ましく、ネット上にはスポッター役を担うアプリが多数登場している。
本作で両親の復讐を狙う黒人の青年は、アプリの存在を知って復讐を決意したと語っているが、後の展開を読むとゴルゴとの出会いも含めて「他の道もあったはず」と思ってしまう。復讐はともかく狙撃アプリを知りたい人は「Ballistic」「Bullet Flight」などの文言で検索すると良いだろう。
最後の一発は早かった
仕事の前に女性とベッドを共にするのは、ゴルゴにとってルーチンワークのようなもの。それを知っている訳でもないだろうが、青年も復讐のために入国したメキシコで、情報者を仲介したポールダンサーの美女から誘われるがままにベッドインして童貞を卒業することになる。
しかし女性をイカせまくるゴルゴと違い、美女から「あら早いこと」と言われてしまうのはカワイイ限り。コトを済ませた青年は「初めてがメキシコで、か」と後悔っぽい考えを浮かべるものの、すぐに「次はアメリカで、だ」と思い直している。そう、まさに死亡フラグだ。
青年はゴルゴに利用された?
アプリなしでもゴルゴの狙撃は抜群だ。青年の狙撃距離(572.4メートル)の数倍となる1.5マイル(約2400メートル)以上の場所からヘッドショットを決めている。そこで気になる点がある。ターゲットを同じくしていた青年が風向きの変化に戸惑っているうちに狙撃できなかったのか。
ターゲットが外に出てすぐ、あるいはもう数秒早めにゴルゴが狙撃していれば、青年は見つかることも引き金を引くこともなかったはずで、生き延びる可能性が増えただろう。情報漏れで増員された警備からゴルゴが逃げるために青年を使用した、とは思いたくないが。
この作品が読める書籍はこちら
この記事が公開された時点では、ビッグコミック本誌でしか読めません。
+ワンショット:前編
+ワンショット:後編
研 修治
最新記事 by 研 修治 (全て見る)
- ゴルゴ13:第644話『心を撃て!』のみどころ - 2024年11月28日
- ゴルゴ13:第643話『怪力戦士イヴァノバ』のみどころ - 2024年11月11日
- ゴルゴ13:第642話『女の平和』のみどころ - 2024年10月1日