この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第184巻収録。人体の反応速度を高める新薬「ACT-X」が開発された。開発者であるロドリゲスは麻薬カルテルと結託し、ACT-Xを軍やテロ組織に売り込もうと画策する。ロドリゲス暗殺の依頼を受けたゴルゴの前に立ちはだかったのは、ACT-Xが投与された兵士・アナ&マリアだった……。脚本:綾羅木恭一郎
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梶本記者がカメオ出演
『両洋の狭間に』『ODA異聞』などで登場し、シリーズでも名脇役の一人に数えられる梶本記者。その登場に「待ってました!」と言いたいところであるが、今エピソードではカメオ出演のちょい役にすぎない。梶本ファンは残念だろう。
ただしメイン役の朝比奈が殺害されたことを考えると、梶本記者がちょい役出演で済んだことは幸いであったかもしれない。グータラ社員で支局長に怒られてばかり。大した活躍をしない梶本記者であるが、『受難の帰日』では珍しく活躍しているので未読の方にはぜひおススメしたエピソードである。

ACT-Xによる油断
ACT-Xとは若者向け栄養ドリンクのような名称だが、ACT-Xの成分であるアンフェタミンはいわゆる覚醒剤・コカインは南米の麻薬の王様。どちらもアッパー系の興奮剤で、ACT-Xを投与されると発射された弾丸が止まったようにすら見えるというのだから恐ろしい合成薬である。
2人だけで米国陸軍特殊部隊を一蹴していることからもその効果が見えるのだが、さすがはゴルゴ。薬物なしでそれを軽々と凌駕した。倒されたマリアとアナに「油断があった」と評したロドリゲス博士には、用心のため傭兵部隊にも油断なくACT-Xを投与しておくべきだったと助言してやりたい。
メキシコは“合衆国”である
メキシコの正式名称は“メキシコ合衆国”である。周囲に聞いてみたところ、メキシコがメキシコ合衆国であることを知っていた者はいなかった。ゴルゴはいろいろなことを教えてくれるバイブルなのである。
合衆国とは英語ではUnited Statesであり、大雑把に言うと連邦(国家)のことだ。合衆国を用いているのはアメリカとメキシコのみである。因みに連邦(国家)はFederationの日本語訳であり、代表的なところではドイツ連邦共和国(ドイツも単純に“ドイツ”ではなかった……)やロシア連邦がある。合衆国と連邦は歴史上生まれた意訳の違いに過ぎず、両者に大差はない。

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片山 恵右

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