この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス未収録作品。ベトナム戦争時に難民として渡米したグエン。現在は実業家として成功しているが、50年前のベトナム戦争の記憶を拭えないでいた。アメリカ兵によって殺された妹の復讐を果たすべくゴルゴに接触を図るグエンだったが……。脚本:加久時丸
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ベトナムでも活躍したゴルゴ
第一次世界大戦の休戦協定を締結した11月11日がベテランズ・デイ(退役軍人の日)で、全米各地にてパレードなどの祭典が行われる。そこでゴルゴはベトナム戦争の復讐を果たすことになる。『ペガサス計画』や『地獄からの生還者』で、ベトナム戦争時の活躍を描かれているゴルゴ。
本作の依頼人であるベトナム生まれのグエンや退役軍人が年を取っているのを見て、「ゴルゴって何歳?」と突っ込みたくなるが、それは野暮だ。グエンから条件付きの狙撃を依頼されたゴルゴは少し考えて了承する。この時にグエンについてどこまで話したのか気になる。
逃走方法はバッチリ
大がかりな仕掛けとしてヘリコプターのヒューイ(UH-1)を登場させている。“汎用”とあるように世界各国で幅広く使われており、自衛隊でも同型機を使用中。また武装を外した中古なら50万ドルもあれば買えるらしい。こうした仕掛けもあって、注目の集まるパレード時の狙撃をこめかみに決めたゴルゴ。
眉間でなかったのは、横(歩道)から撃ったとの偽装だろう。「消防車のゴンドラからどうやって逃げたの?」と思うかもしれない。しかしよく見ると、ゴルゴが地元警官の制服を着ていることが分かる。混乱した状況に乗じて逃げるのは難しくなさそうだ。
依頼人と再会するゴルゴ
仕事を終えたゴルゴはロスアンゼルス国際空港でグエンを見かける。依頼人と再会しないのがゴルゴのルールであり、ゴルゴの反応から偶然の出会いと見て良いだろう。しかしゴルゴはグエンの落としたペニー(1セント硬貨)を、わざわざ拾って手渡す。
グエンは憂いの無い透き通った目で、「どこのどなたか存じませんが」と礼を述べた。単なる親切とは思えない。もし依頼時にグエンから自らの痴呆症を聞いていれば、その進行状況を確認した可能性がある。直後にサングラスをかけたゴルゴの瞳に涙が浮んで…とまで想像するのは、イメージから外れすぎだろうか。
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研 修治
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