この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第191巻収録。旧ソ連時代のキラー衛星のパスワードがテロリストに流出し、国際宇宙ステーションがテロの標的となってしまう。遠隔操作が不可能となったため、外的な衝撃を与えて軌道を変更させるしかない。NASAはこの困難な計画をゴルゴの狙撃によって成功させようとするが……。脚本:充庵
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ハリウッド映画並みのスケール感
宇宙に題を取った一大スペクタクルドラマ。ハリウッドで映画化されても驚かないスケール感のエピソードにドキドキ・ハラハラする読者も多いのではないか。超人的スナイパーであるゴルゴと言えども、宇宙空間での仕事は多くはない。『軌道上狙撃』『一射一生』についで3度目の宇宙空間での仕事だ。
それでも、3度目ともなると宇宙での仕事もお手のものである。とは言え、想定外に発生した絶体絶命のピンチを冷静に対処する様はみごたえ十分。見事にピンチを乗り切って開発者を感心させているのはさすがとしか言いようがない。
JAXAとも深い縁のあるゴルゴ
エピソード中でも触れらるように、日本産ロケットでの有人宇宙飛行としての快挙である。ただし極秘ミッションであること、乗り手がゴルゴであること、二つの要素から絶対に公表できない。
なお『剥がれた鍍金』ではH2Aロケットの計画延期に手を貸し、日本の宇宙開発に一石を応じたゴルゴだったが、今エピソードではH2Aロケットの後継機種H2Bロケットに搭載したHTVで自ら宇宙飛行している。『剥がれた鍍金』時の事業体の名称は、“宇宙開発事業団(NASDA)”なのであるが、実はJAXA(宇宙航空研究開発機構)とも浅からぬ縁があるのだ。
セクシーすぎる総務部職員
ご存知の通り、ゴルゴシリーズには美女が多数登場する。今エピソードのルーシー・イーストンはビジネスシーンに登場する美女としてはトップクラスと言って良いだろう。こんなセクシーな女性が実際に職場にいたら目のやり場に困るだろうが、劇中ではもっと見たかった。あまりにもあっさりと死んでしまい残念に思う男性読者は少なくないはずだ。
ルーシーをもっと活躍させられるストーリー展開はなかったものか。目的のためなら、男と親密になることも厭わないのは『オクトパスの疑似餌』に登場するリアノンと共通項なのだが、ミッションに失敗して死亡したルーシーとは対照的にリアノンは本懐を遂げている。
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片山 恵右
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