この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第101巻収録。植物などの新種の種子を集める種子探索人。ここ数年、チベットの奥地で何人もの探索人が、「黒い悪魔」というメッセージを残して怪死する事件が発生していた。英王立植物園の園長・フォレストは、命の恩人でもある探索人が、チベットに入山したことを知り、ゴルゴに「黒い悪魔」の抹殺を依頼するが……。
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まだまだ知られていない地球
人間を“万物の霊長”と評することもあるが、生きている地球であっても分からないことの方が多い。毎年のように新しい品種の動物や植物が見つかっているのも、その一例だ。本作に登場するアメリカのメリーランド州にあるベルトビル農業研究センターは実在のもので、そこでは50万種の植物の種子を保存しているとある。
さらに半年ごとに7千から1万5千点が集められるとのこと。本作の発表は1992年。30年近くたっていれば、現在では80万種を超えていても不思議ではない。それでも地球上の植物全てを網羅するには至らないだろう。
正体不明のターゲット
今作でゴルゴの依頼人となる種子探索人(プラントハンター)は、当初知人のプラントハンターの助けを頼もうとしてゴルゴに、「相手を間違えたようだ。俺の仕事内容に救助はない」と断られている。しかしながら、ものは言いよう頼みようで、「黒い悪魔と呼ばれている何者かをっ!!狙撃していただきたい」と言い直すことでゴルゴの了承を得ている。
今回のように正体不明のターゲットを依頼される話は『死に絶えた盛装』『シーザーの眼』『聖なる銀行』など結構多い。それらの話でゴルゴがどのようにターゲットを突き止めるかも見どころの1つだろう。
混乱が続くチベットと中国の国境
長らく国内外に混乱の種を抱える中国は、チベットとの国境付近の揉めごとも随分長い間続いている。冒頭で登場するアメリカ政府の関係者ですら、「合法的にも政治的にも身動きができません」と語っているくらいだ。
ただし、それゆえにゴルゴの出番が来たとも言えるのだが。また、混乱があってこそゴルゴの出番が増えるようで、最近でも『パンダ外交』『重慶の土龍』など中国が絡んだきな臭い話がある。もっとも、ゴルゴの狙撃一発でスッキリ収まるのは漫画くらいなのだろう。ゴルゴが同行した母子のような人達こそ幸せになれると良いのだが。
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研 修治
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